
はじめに
これは実際に複数の放課後児童クラブの現場を経験し、マネジメントをしてきた私が、『業界の闇を暴露する』という変な趣旨ではなく、放課後児童クラブ等を利用している保護者の皆さんが、知る権利があるのに耳に入りにくく、知っておくことによって放課後児童クラブ運営法人・企業との関係をより良いものにし、もしも現在良い関係でなければそれを修復しやすいようにするというポジティブな方向性でお話をしています。その辺りを十分にご理解頂けない方は、ここから先は読まないでください。ご理解頂けました方のみ、ここから先をお読みくださいませ。
タイムスケジュールのお話
そのクラブには、後ろの黒板に1日のタイムスケジュールを書く場所があります。でも主任は子どもが登所する前に書いておきません。毎日のように、クラブが開所してから数時間後に主任が「はっ」と気付いて書くか、他の職員に言われてから書きます。
私の考える正解は「タイムスケジュールは前日に書いておく」か、「遅くとも子どもたちが登所する前に書いておく」です。
そして、そのクラブは2単位(1単位は40名)ありまして、決められた時間が来るとAとBの部屋に分かれます。1日のタイムスケジュールは、何故かAには書くけれどもBには書かないんです。
ベテランの放課後児童支援員ならば、このお話の問題点がどこにあるのかがお分かりになりますよね。
何故子どもたちの登所前に書いておかないのか、何故全クラスに書いておかないのか。
そこに1日のタイムスケジュールを書く『目的』が分かっていないからです。
主任だけでなく、そこにその主任をおいたエリアマネージャー、運営法人を含めて全体が理解していないということになります。
目的が分からなければ、新年度が始まって新1年生が入って来たときに「後ろの黒板に1日のスケジュールを書いておきますから、みんなクラブに来たらまずここを見て確認しましょうね」という説明が出来ません。勿論その主任は、その重要な説明をしていませんから、クラブの子ども全員がタイムスケジュールに目が行きません。毎日のように、「今日は外遊びはあるの?」と支援員に聞くことになります。
私はBクラスの担当でしたから、入社して数日後に「Bクラスにもタイムスケジュールを書いておきたいので、今日のタイムスケジュールを教えて頂けますか?」と主任に聞くことにしました。主任は決まって「後で書きます」とか「昨日と同じです」と言い、結局夏休みが始まってから終わるまで「子どもたちが来る前にタイムスケジュールを書いておく」ことは1度もありませんでした。
放課後児童クラブを運営していくにあたり「これだけはしなければならないこと」や、「ここだけは抑えておきたいポイント」というものがあります。新年度が始まって新1年生が入って来たとき、トイレの使い方や遊具の使い方、放課後児童クラブの過ごし方などを説明するわけですが、それと同時に伝えなければならないこと、最初に伝えなければその後の1年に影響が出てしまうことが、たくさんあるわけですね。
今回のお話の「タイムスケジュール」も、そのひとつです。
そのクラブの主任は、新しい遊具を出す時に何も説明をしません。
ネット通販で注文した遊具がクラブに到着し、子どもたちが「何がきたの?」と集まって来ると、その子どもたちに預けてしまいます。
遊具には、ちゃんとルールが分からないと楽しくなくなってしまうものがあります。
逆に、想像力を養うために敢えて何も言わずに子どもたちに渡す場合も時にはありますが、今回の遊具は公式ルールが有るスポーツでした。
子どもたちはその遊具を持って隣のクラスに行き、箱から出します。
子どもって、遊びの天才ですよね。
例えば校庭に木の棒が数本落ちていたら、それで遊びを考えてどんどんルールを作っていきます。
で、だいたい自分の有利なルールを作っていきますから、最終的につまらなくなるか喧嘩になって終了します(笑)
今回の遊具も、説明書を読む子どもが1名居ましたが、他の子どもはその遊具を使ってでキャッチボールを始めました。中には足でサッカーをする男子も居ます。そのまま続けていたらすぐ壊れてしまったことでしょう。
その部屋に主任は居ませんでした。
近くで見ていた職員は「あ~ぁ…」という表情です。
結局その遊具のルールを知っている男性職員が説明を始めて、ようやく正式な方法で遊び始めました。
仕事にはちゃんとした目的がある
我々が行っている仕事の大部分には『目的』があります。
今回のお話のように
・ タイムスケジュールを前日に書いておいて、子どもたちが登所したら確認してもらうこと。
・ ルールの確認が必要な遊具を出す時は予め支援員にどのような遊具を出すのかを説明し、クラブ全体にどのような遊具をどのタイミングで出すのか説明してから出すこと。
今回のお話には出しませんでしたが
・ 外遊びで使う校庭に有る遊具の説明を、クラブ内に出来れば写真入で分かりやすく掲示しておくこと
・ 支援員が担当の教室から出る時は他の支援員に声を掛けてから出ること
にも、それぞれ『目的』があるんですよ。
そこを知らずにこの業界に参入し、どんどんエリア拡大をしていく。
委託側も、そういう会社だと知ってか知らずか複数のクラブの仕事を提供してしまう。
そのクラブに在籍している職員も「せっかく近所で働き口が見付かって慣れてきたのに、今この職場に何かあっては困る」という理由で、そのクラブでおかしなことがあっても、何もアクションをせずにそのまま飲み込んでしまう。
もう放課後児童クラブがこのようなことになってしまった以上、解決方法としては、保護者の皆さんが運営法人をジャッジしていくしかないと思うんですよね。
「委託元はチェックしないの?」って思いませんか?
思いますよね?
「市役所の職員なんだから細かくチェックしているはず」って思うじゃないですか。
私も最初はそう思っていました。
でも、私のようにある程度長く現場に居ますと、役所の担当職員さんたちもそんなに暇ではないんですよね。
だからこそ保護者の皆さんからアクションを起こし、お金儲け第一主義の会社を野放しにすべきではないと思うのです。
放課後児童クラブ運営会社にみられる2種類の特徴
運営会社や運営法人の考え方には、この2種類があります。
①子育て世代の家庭に寄り添い、安心して子育てが出来る社会の実現を目指している。
②市町村が行っているプロポーザルで無難な点数を取ればある程度多額な委託金が入るので、子育てには全く関心がないが、お金儲けの為に放課後児童クラブを運営している。
このどちらかに当てはまると思って頂いて良いと思います。要するに、この仕事を真面目に考えている会社かそうでない会社か、ですね。
②の会社が多いとは言いませんが、②の会社のほとんどは多方面に担当エリアを伸ばしている、もしくは同じ市町村で複数現場を請け負っている会社・法人の為、放課後児童クラブの数でいえば「多い」ということになってしまいます。
子育て支援とは何か、支援の為の費用はどの程度必要か、支援員の人選はどのようにすべきか、そのような初歩的な事柄から始まり、実際に放課後児童クラブを運営するためのイロハ、そのひとつひとつについての目的など、最低でも運営会社・エリアマネージャーが熟知していなければならない内容が、全く理解されないままどんどんエリア拡大をしている現状。
実際にそのような現状を見てしまうと、自分がそこに在籍しているのが虚しくなってしまいます。
あくまでも個人的なデータによるものですが、異業種から入ってきた会社、極端に短期間でエリア拡大をしている会社は、エリアマネージャー、主任、副主任を含んだ会社全体が子育て支援の仕事を理解していないように感じます。
これは介護のような同じジャンルで括られているNPO法人にも見られます。
結局は、その会社や法人の考え方ひとつで、放課後児童クラブのレベルが決まるということですね。
そのような運営会社のエリアマネージャーや採用担当者に共通することとして、「話す内容に重みがない」というものがあります。
面接で質問を受けても、担当者自体が仕事の目的を理解していなく、特に異業種から新しく参入してきた会社の担当者は予め用意されたマニュアル通りに質問をしますので、その意味を理解して質問しているわけではありません。その面接マニュアルを作った担当者も初めての経験ですから、子育て支援がどのようなものか分からないで作成していますので、当たり前といえば当たり前ですが…
今まで何度も面接をしてきた人間からしますと、質問の意図がどこにあるのか、「その質問をして、その理由は聞かないのですか?」というおかしな質問が多いのは、担当者にその質問をする目的が理解されていないからです。
放課後児童クラブを利用していておかしいと感じたら?
私にも子育て経験があり、小学生の頃からスポーツ関係のクラブに入れていましたから、クレームを出すことの難しさは良く分かります。
特に昭和や平成の時代は、今のように教える側が優しくありませんので、「このぉ~~~!」と思っても保護者は我慢するしか無かったです。
だって、我々保護者がクレームを入れて、その後に子どもたちがコーチに意地悪をされたり、試合に出されなくなったりしたら嫌じゃないですか。今のお父さん・お母さんには考えられないかもしれませんけれど、昔は確実に有ったのですから。
子どもを人質に取られているとは、まさにこの事ですよ。
でも今の時代は昔とは違います。
理不尽なことが有った場合、解決してもらえる方が多いです。
ただ、方法を間違えてしまうと解決から離れていってしまう可能性があることも事実です。
他のページでもお話をしました「放課後児童クラブの主任はどのようにして決まっているか」を考えれば、主任に言って解決しない事が大いに有るということはご理解頂けると思います。
例えば松戸市の放課後児童クラブで何か有ったとして、保護者からのクレームが出てそれを主任が受けたとします。
そのクラブの主任が委託元である松戸市の子ども居場所課に「本日このようなクレームが保護者から有りました」と連絡をする義務は有りますでしょうか。
ないですね。
事故報告の義務は有りますが、保護者からのクレームを全て居場所課に連絡する義務は有りません。
もっと言えば、主任が自分の保身に走ってうやむやにする可能性だってあります。
委託元である市役所が一番困るのは、利用者からクレームが入ることです。
逆に言えば(ここ重要です)「利用者からクレームが出なければ、余程大きな事件がない限り委託は断られない」ということなんですよ。
例えば。
某市の放課後児童クラブで、放課後児童支援員が保護者から警察に複数回通報されるという事件が有りましたと。
支援員が警察に通報をされれば市役所に連絡が入りますから、その支援員は退職になります。
その運営会社は、他県の複数のクラブでも不正という大きな事件をおこしていて、他にも男性職員が「支援員としてしてはいけないことをしていた」という市役所に届けていない事実も有りますと。
このような場合、その運営法人は某市役所から指定管理(委託)を取り消されるのでしょうか。
皆さんはどう思いますか?
取り消されないんですよ。
それこそマスコミにでも流れて、大きな社会問題にでもならない限りは、取り消されることはないんです。
それが現実です。
自分の子どもは自分で守らなければなりません。
私もそうしてきました。
クレームということでなくても、迷わず質問や相談をしてみましょう。
もしも自分が間違っていた、勘違いだったとしたら、謝ればいいじゃないですか。
それよりも、放っておいたが為に自分の子どもに何か降り掛かってくる方が悲惨です。
例えば松戸市には「市長メール」というありがたい相談窓口があります。
他の地域にも、何かしらの窓口が用意されていると思いますので見つけてみてください。