はじめに
子どもが小学校に入学する時に、放課後児童クラブの検討をする方も多いのではないでしょうか(ここでは学童ではなく放課後児童クラブと呼びます)。
昭和の時代は専業主婦も多かったのですが、今やほとんどの家庭が共働きで、放課後児童クラブやその他の子育て支援事業が不可欠です。
「どうしてそんな世の中になってしまったか」という政治のお話は別としまして、今回は[放課後児童クラブの利用を検討している、もしくは現在放課後児童クラブを利用している保護者の皆さんが、知りたいけれどなかなか知り得ない部分]のお話をしたいと思います。
現在放課後児童クラブを利用している保護者の皆様は、そのクラブが例えば5段階評価をしたとしてどの程度なのか、気になったことはありませんでしょうか。気になって、解決されましたか? 解決しないという方がほとんどだと思います。それは何故でしょうか。
外食に行った時に、「その料理は美味しかったのか」、「美味しかったとしたら5段階評価でいくつなのか」は、ほとんどの方が言えると思います。それが言える理由は、他のお店の料理の味や、今まで自分が食べてきた料理の味と比較出来るからなんですね。
では放課後児童クラブはどうでしょうか。転校経験が有る方ならば他のクラブと比較出来ますが、ほとんどの保護者の皆さんは他のクラブと比較出来ないですよね。「え?どうして?」と言いたくなるような話をクラブの先生からされたとしても言わずに我慢してしまうのは、他のクラブと比較が出来ないので「そういうものなのか…」と、納得はいかないけれど納得せざるを得ないからではないでしょうか。
このページでは、保護者の皆さんが「そういうことだったのか」と納得出来るようなお話ができればと考えています。
【ご注意願います】これは実際に多くの放課後児童クラブの現場を経験したりマネジメントをしてきた私が、『業界の闇を暴露する』という変な趣旨ではなく、放課後児童クラブ等を利用している保護者の皆さんが、知る権利があるのに耳に入りにくく、知っておくことによって放課後児童クラブ運営法人・企業との関係をより良いものにし、もしも現在良い関係でなければそれを修復しやすいようにするというポジティブな方向性でのお話です。その辺りを十分にご理解頂けない方は、ここから先は読まないでください。ご理解頂けました方のみ、ここから先をお読みくださいませ。
放課後児童クラブの職員はどの程度のスキルを持っているか
結論から言いますと、ピンキリです。
数年前に、学童指導員に対して何らかの箔をつけようと、任用資格として「放課後児童支援員」を設けました。2年間・2000時間の現場経験が有る人か、教員免許を持っている人ならば4日間の講習で取得することが出来ます。再試験が必要な方も今まで少数居ましたが、ほぼ100%取得出来る資格です。
ですので、放課後児童支援員の資格を持っているから「素晴らしい先生」ではありませんし、資格がないから「未熟で頼りにならない先生」ではありません。
一番間違えてはいけないのは、常勤と非常勤の差についてです。
常勤というのはいわゆる正職員(嘱託職員の場合も有り)で、非常勤はパート・アルバイトの先生です。保護者の皆さんは、そこに保育スキルの差があるとお考えではないでしょうか。
違います。
極端な例でいえば、新卒で入った正社員と、30年もの経験が有るベテランの非常勤職員を比較した場合、後者の方が信頼して任せられる場合が多いです。勿論その支援員の人間性にもよりますし、ケース・バイ・ケースですが、どういうことなのかは皆さん想像がつくと思います。
では同じ経験年数の常勤と非常勤を比べた場合、その差は?
保護者の皆さんが支援員に何か相談したかったり、質問が有る時に、誰に相談すれば良いのでしょうか。
この業界は、ここに大きな問題を抱えているクラブが予想以上に多いので、注意が必要です。
クラブによっては非常勤職員の方が保育レベルが高い
私が以前在籍していた松戸市内のクラブの場合、明らかに常勤職員よりも非常勤職員の方が保育スキルは上でした。というよりも、常勤職員はメンタル疾患やグレーゾーンの職員ばかりで、非常勤職員が居なければまともな運営が出来ないクラブでした。
そのクラブに私が入社した当初、「常勤の方が偉い。保護者対応は常勤のみが行う」というおかしな規則がその企業に有りまして、常勤よりも仕事の出来る非常勤職員は、保護者と会話すら出来ない状況でした。
だからといってコミュニケーションスキルのない常勤職員に任せていても、まともな保護者対応は出来ません。
我が子を預けている保護者の皆さんは、とても不安だったと思います。
保護者のお迎え時には、その日の出来事を伝達します。
その際に気をつける事として「ネガティブな内容を伝えるのはなるべく10回に1回程度にしましょう」ということを、私は今まで社内研修や会議の席で職員の皆さんに伝えてきました。毎日仕事で疲れて帰って来るお父さん・お母さんたちには、「○○○くんがお友達を仲間に入れてあげなくて…」とか、「○○○さんがトランプをしている時にズルを…」なんていう報告は辛すぎるからです。
勿論、危険行為や集団いじめなどに関しては早い対応をしますが、日頃当たり前に有る子ども同士の些細なトラブルをお母さんたちに浴びせかけるのは可哀想ですし、その程度のことは我々支援員が適切な対応をすれば良い話ですからね。
それよりも我々支援員は、働くお父さん・お母さんたちが明日も元気に仕事に行けるように、「○○○くん、今日絵がとても上手に描けたんですよ」とか「○○○さん、初めて二重跳びが出来ました!」というような、本当にちっちゃなことで良いのでポジティブなことを伝えてあげるべきだと私は思うのです。
しかしそのクラブは、保護者とお話をすればまだ良い方で、ほとんどが挨拶だけして子どもを受け渡すだけ。親ならば、自分の子どもが今日1日なにをしていたのかが気になりますよね? 少なくとも私は気になる方なんですよ。
たまに口を開いたかと思えば、そのほとんどが「今日は○○○くんに意地悪をした」などのネガティブな内容。お迎えに来る度に自分の子どもの悪いところばかりを指摘される気分がどのようなものか、そのクラブの常勤職員には理解出来ないのです。
このままでは保護者や子どもたちが可哀想だと感じ、私が入社して2年目にクラス担当や保護者対応を「ちゃんと仕事が出来る」非常勤職員に変更しました。当然保護者さんたちとの風通しが良くなり、クレームも徐々に減っていき、関係性が改善されたことは言うまでもありません。しかし私が退職した後、会社側が「常勤の方が偉い。クラス担当・保護者対応は常勤のみ」に戻してしまった為、良い時期は長く続きませんでしたが。
おそらくこの話を聞いて、「これは我が家が利用しているクラブだ!」と気付いた方が居ると思います。
もしくは、以前利用していたクラブだと気付いたかも知れません。
保護者の皆さんにとって重要なのは、「不満が有ったら我慢しない」ということです。クラブの支援員に「今日、うちの子の様子はどうでしたか?」という質問をしてみるのも良いかもしれません。少しでもおかしいと思ったら、何かしらのアクションを起こすことが大切なのです。
松戸市内の放課後児童クラブ利用の方は、このページの最後に「市長メール」についてのお話を載せておきますので、ご自分の放課後児童クラブで「?」ということがありましたらメールを出してみるのも良いかと思います。
クラスの責任者は常勤職員でなければいけないのか
流山市内のクラブに在籍していたときは利用登録者200人超えのマンモスクラブでしたが、クラス担当者は全員非常勤職員でした。常勤職員を募集しても中々応募がなく、一時期は常勤が私ひとりだけでした。その状況でどうして運営が出来たかというと、各クラスの責任者を担当していた非常勤職員の皆さんがとても仕事の出来る先生だったからです。その先生たちが居なかったら運営出来ませんでしたし、コロナ禍を乗り切ることは出来なかったと感じています。
後にそのクラブは少しずつ常勤職員が増えてきましたが、ほとんどが60代で子育て経験がなかったり、子育てに関与していない男性職員だったりで、とてもクラスを任せるだけのスキルはありませんでした。そんな頼りない常勤職員しか居なくても、非常勤職員が優秀ならばちゃんとした運営は出来るのです。各自年間スケジュールを把握し、室内飾りやイベントの準備を早めに進めていってくれる為に、私は事務職や学校対応、社内研修などのマネジメント業務に集中する事が出来て、本当に助かりました。
このクラブの例が示す通り、常勤・非常勤の違いは、保育スキルとは無関係です。
午前中から出社していても優先順位がつけられずに仕事が前に進まず、個人学習もしないので全くスキルアップしない常勤の先生が居れば、非常勤職員で週に3回ほど出社するだけなのにちゃんと年間の行事等が頭に入っていて、子どもや保護者への対応も素晴らしく、次から次へと仕事をこなしていく先生も居ます。
保護者にお話をしていても、いったい何が言いたいのか分からないような常勤職員も居れば、ちゃんと毎日些細なことでも保護者にお伝えして仕事で疲れている保護者の皆さんの笑顔を引き出している非常勤職員も居ます。
こういう保育スキルや保護者対応で活きる能力は、その人のセンスや日頃からの努力が大きいですね。スキルの高い先生は、仕事へのやる気が感じられます。
実際流山市内のクラブに在籍中、未経験で入ってきた女性の先生が居まして、とっても努力家でした。素晴らしい保育センスの持ち主で、2年目から責任者としてクラスをお任せしました。そのクラス、とっても良いクラスになりまして、人手不足の中で本当に助けられました。
各クラブの主任は保育スキルが高いのか
これも各クラブ様々ですが、あくまでも私の経験でお話をしますと「皆さんが思っているほどではないかもしれません」ということになりますでしょうか。
その理由は、「組織の仕組み」を考えてみると分かりやすいかもしれません。
各運営会社・法人はどのようにして主任(要するに現場のトップ)を決めているか、いくつか挙げてみたいと思います。
①人事異動で決まった(入社して2年目)。
②会社が決めたが本人に断られた為にNo.2が主任になった(入社して2年目)。
③新しいクラブの仕事が取れたので、会社の言うことを何でも聞く人材を転勤させた(入社して2年目)。
④「主任募集」という求人で見つけた(入社してすぐ)。
⑤主任が代謝してしまったために他の常勤から選んだ(入社して1年目)。
⑥常勤の中から事務処理が出来る職員を選んだ(入社して2年目)。
実はこれらは、私から見て「う~ん…」という法人の例です。
そしてこのように主任になった職員は、ほとんどが若い。この6つの中の半数以上が20~30代です。
では比較的ちゃんとしている法人が主任を選ぶ時、どのような選び方をしているでしょうか。
まず、この仕事がどのようなものかを理解していないうちに現場のトップにすることは、ちゃんとした法人の場合は絶対にしません。
正職員採用でもトイレ掃除から経験させ、全ての業務を理解させた上で「主任候補」としますので、入社後1年や2年で主任になることはないのです。そんな短期間で現場のトップが務まるほど、この放課後児童クラブという仕事は甘くないですから。
でも年齢からすると、どう考えても経験が少ないであろう主任があちこちに見られますよね。
それは何故でしょうか?
まだ主任の器には適さないような職員が仕切っている放課後児童クラブが多いのは、皆さん何故だと思いますか?
その理由のほとんどが、「そのクラブを運営している会社が自社の規模を大きくする為に職員が揃わないうちに多方面の放課後児童クラブ運営の権利を取り、常に人材不足のまま運営している為、職員の育成や確保が間に合っていないから」です。
結局そのような法人は、目的が「子育て支援」ではなく、『お金集め』なんですよ。
色々な都道府県の放課後児童クラブに手を出し、現場がちゃんと運営出来ていようがいまいが関係なく、とにかく1クラブでも多くして補助金を集め、放課後児童クラブの子どもたちにはほとんどお金を使いません。
※ この「子どもたちにお金を使わない運営会社」につきましては、別のページで詳しく解説致します。
Indeedのような、仕事探しに使うページを見てみてください。ジョブメドレーもいいですね。
そのような会社・法人は、1年を通じてず~っと職員を募集しています。
要するに1年中人材不足ですから、1年中募集かけているわけですね。
そしてパート・アルバイトでも平気で多方面にヘルプに行かせますし、保育のイロハも分からないエリアマネージャーや主任が運営していますから、そのうち不満が多くなって職員が辞めていき、また人材不足に拍車がかかります。
私の経験則では、多方面に手を広げている会社ほどこの傾向が強いですね。異業種の新規参入も同様です。
他県に跨がればなおさらですが、同じ市内でもクラブ数が多いほどこ人材不足の傾向にあります。
このお話が気になる方は、定期的に求人広告を見てください。
このように、「放課後児童支援員だから」とか、「教員免許を持っているから」とか、常勤だから非常勤だからという理由でクラブの先生を評価するのは危険です。私の経験から申し上げるならば、『お金集め』を目的にしている運営会社は、「逆に教員免許や児童○○○、施設長や主任のような肩書を持っていない人の方が、放課後児童クラブでは支援する上での能力が高いかもしれませんよ」ということになりますね。
保護者の皆さんはまず、利用しているクラブの支援員の中で「信頼出来る(出来そうな)先生」を見付けましょう。
そして、何かがあったときにはその先生に話を聞きましょう。
その信頼出来そうな先生がもしも非常勤職員で「保護者の対応は常勤だけ」というおかしな規則のある運営会社だった場合は、遠慮なく市町村に連絡を入れてみてください。連絡を入れても対応してくれない市町村の場合は、例えば松戸市でしたら「市長メール」という手段が有ります(最後にリンクしておきますね)。松戸市以外にも、市長に直接連絡出来るようなツールが有るか確認しましょう。
ほとんどの場合、主任はイエスマンが選ばれる
会社に属する場合、その会社が考える「目的」に向かって仕事をしなければなりません。
もしもその「目的」が社会的に見て間違っていた場合でも、その会社に属している限り、会社の考える方向に向かって進まなければなりません。これは基本的な事なので、皆さんにもご理解頂けるのではないかと思います。
その会社の目標が「子育て支援」ならば、職員はお預かりした子どもたちへの支援を全力で行っていくべきです。
その会社の目標が「お金集め」ならば、職員はお預かりした子どもたちへ使うお金を極力控えて、全力で出費をしないよう努力しなければなりません。
会社の目的が「お金集め」の場合、上から言われたことに対しては必ず「はい!」と答え、理不尽なことに対しても反抗せず、「子育てに使ってください」と市町村から渡された補助金(子どもたちに使われるべきお金です)をなるべく使わずに会社の利益にしていく職員が重宝されます。会社にとっても、ハイハイと言うことを聞く職員は扱いやすいですし、そういう職員が現場のトップに居れば、会社の目的である「お金集め」がやりやすい。
ここまでお話をすれば、もう皆さんお分かりかと思います。
目的が「お金集め」という会社ほど、保育の勉強などしたことのない若い職員や、年齢的に再就職が不可能な高期高齢者、発達に特徴がある人やメンタル疾患で他社に就職が出来ない人などをターゲットにし、現場のトップに置いて目的を達成させます。
私はそういう現場をいくつも見てきました。
「そんなことが実際にあっても良いのですか?」と言いたくなりますよね。
残念ですが、これが現実です。
ですから、保護者の皆さんには目を光らせて頂き、保育スキルの低いクラブで大切な我が子の心が傷ついていないか、不利益な状況におかれていないかを見て頂きたいのです。そしてそれを発見したら、泣き寝入りせず、しっかりと報告して頂きたい。
本当の意味で子どもたちを守れるのは、保護者の皆さんしかいないのですから。
松戸市には「市長メール」があります
この業界の問題点として「どの地域にも、最初から誠実な運営をしようと思っていない会社・法人が居る」という事実があります。
もしも我が子を預けている放課後児童クラブの運営会社が、そんな会社だったらどのようにしたら良いでしょうか。
その対策として松戸市には「市長メール」というありがたいシステムが用意されています。
≫ 松戸市市長メールはこちらから
ここに直接、相談事や質問をしてみましょう。
保護者の皆さんは、我が子がクラブで何かの問題に巻き込まれたとき、「あれ?これはおかしいのでは?」と思ったとき、まずはそのクラブの担当支援員または主任に相談すると思います。それでちゃんと解決すれば、その会社・クラブ・主任の、少なくともその中のひとつはちゃんとしているのかもしれません。
問題なのは、何も解決しない時です。
もしかするとそのクラブの運営会社は、「お金集め」だけのために放課後児童クラブを運営している会社なのかもしれません。
「放課後児童クラブ 会社名 不祥事」
「放課後児童クラブ 会社名 事件」 というワードで検索してみましょう。
我が子が通っている放課後児童クラブの運営会社が出てくるかもしれません。
放課後児童クラブを利用している方の中で、「おかしいな」と思うことが有りましたら、市長メールだけでなく役所の担当課へ、それも代表者ではなく該当する人は1人ずつ連絡を入れましょう。