心と身体

【粉瘤】体に大きな粉瘤が出来た時、何をどう考えたら良いかの一例

ある日、体のどこかに「でき物」が出来て、最初はプチッとした小さいものだったのが、段々と膨れてゴルフボール大になり、激痛で体を動かすのが辛くなってしまった。
これは大変だと近所の医者に行くと、「これは粉瘤(アテローム)です」と言われ、「今から切開して膿瘍を取り出しますから」もしくは「大きな病院で手術をしてもらって下さい」と言われた。
さぁ、どうしましょうか。
いきなり「ここで切開します」なんて言われても、心の準備が必要ですよね。
化膿している状態で麻酔は効きませんから、無麻酔で体にメスを入れられるわけです。
考えただけで恐ろしい。
「ここは戦場じゃないんですから」と突っ込みたくなります(笑)
私はそこで「一旦持ち帰って考えます」と告げ、病院を後にしました。
痛いから何とかして欲しいけど、麻酔も無しに切られるなんて考えもしなかったからです。
「大きな病院で手術をしてもらって下さい」と言われても、これはこれで悩みます。
でも悩んでいる場合じゃないほど患部が痛いので、早く決断しなくてはいけない気がします(そういう気がする)。
こうなった時に、自分の気持ちをどう持って行ったら良いのか、まずどういう選択肢が有るのかを書いてみようと思います。
【粉瘤が腫れた時の選択肢について】
1. 皮膚科か整形外科で膿瘍だけ取ってもらう(日帰り)
完治させる為には膿瘍を取るだけではダメで、その周りの袋ごと取らなければなりません。
ですが、このまま放っておくわけにもいきませんから、とりあえず応急処置として、患部を切開して膿瘍だけを取るように医師に勧められます。
完治はしません。
暫くしてから、必ずと言って良いほど再発します。
2. 腫れが治まってから麻酔を打って袋ごと取る手術(日帰り)
町の皮膚科や整形外科で出来る場合が多いです。
膿んでないので麻酔は効きますから、手術中の痛みはほとんど有りません。
手術を小規模で済ませたい場合は、この方法が一番です。
しかし、現在完璧に膿んで腫れている場合は、この手術は出来ません。
膿瘍だけ切開して取り、後日患部が落ち着いてから本手術ということになります。
膿瘍を取る応急処置をしないで我慢する場合、薬を飲んで様子を見るわけですが、ほとんど薬の効果は無いと思って間違い無いでしょう。
膿瘍が出来てから自然に治まるまでに、最低でも1週間~10日は必要かと思います。
その間、どうやって我慢するかが問題ですね。
3. 総合病院で手術入院をして完治させる(入院)
私の場合、3年間我慢してしまった為に、こじれてしまいました。
で、この選択肢しか無くなってしまったわけです。
仕事が休めて、手術・入院費用が払える場合は、この方法が安心ではないでしょうか。
すっかり完治しますし、総合病院だと他の科も有りますから、何か有った時でも対処出来る気がするからです(絶対は有り得ませんが)。
このチョイスは、化膿している時でもしていない時でもOKという柔軟性が有りますよね(結局全身麻酔か下半身麻酔になるから)。
そういう意味でも、気が楽になると思います。
【何科にお願いしたら良いのか】
これは「皮膚科」か「整形外科」のチョイスになるのが一般的です。
どちらを選んだら良いかは、ご自分の判断で良いと思います。
私が何故整形外科を選択したかというと、「整形外科の方が糸が細い」、「跡が残りにくい」、「傷口が美しい(笑)」という話を小耳に挟んだからです。
あと、病院のホームページを穴があくほど見て読んで確かめてから決めました。
【手術入院すると料金はいくら用意したら良いのか】
ここ、考えますよね。
私もかなり考えました。
ただでさえ少ない年収で迷惑を掛けているというのに、ここで大きな出費なんて…
私の場合、生命保険はほとんど意味が有りませんでした(通いの治療費の一部のみ)。
あまりこの辺り詳しくないので間違っていたら申し訳無いのですが、「高額療養費制度」という制度が有りますよね。
「その月の初めから終わりまでの医療費が高額になった場合、一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される」という制度です。
負担の上限額は、70歳以下かどうか、年収がどの程度有るかで変わります。
高額療養費制度
高額療養費制度
(画像をクリックすると拡大表示されます)
仮に、70歳以下で年収が約370万円~770万円までの人の場合。
粉瘤を治す為に掛かった治療代金が100万円として、通常の負担額は3割ですから30万円ですね。
それを上の表の計算式に当てはめます。
80100円+(医療費1000000円-267000円)×1%=87430円
高額療養費制度適用後の自己負担額は87430円ということになります。
年収が約370万円までの人は計算する必要が無く、57600円。
非課税の人も同様に、35400円と決まっています。
【高額療養費制度は助かるけど立て替えをするのが辛い】
通常は負担額の30万円を病院側に支払い、後で加入する医療保険に請求して差額が返って来るわけですが、加入している医療保険から事前に「所得区分の認定書」を発行してもらうと、退院時の病院への支払いの際、上限額までの支払いで済みます(立て替えておく必要は無いということです)。
そうしないと、支給までに3ヶ月程度掛かりますので、余裕が無いという人にはオススメの方法です。
70歳以上であれば、認定証無しでOK(低所得者は必要)。
ご主人の所得区分の認定書を奥様が取りに行くことも可能なので(我が家は大丈夫でした)、入院中に取りに行っても良いと思います。
市区町村に問い合わせてみて下さい。
「どういう医療費が高額医療費制度の対象となるか」や、「月をまたいだ場合はどうなるのか」等、細かい内容はこちらの〝高額療養費制度を利用される皆さまへ-平成27年1月診療分から〟に有るファイルをご覧下さいませ。
※繰り返しますが私自身詳しくは無いので、これについての疑問点が有りましたら、市区町村に問い合わせて頂くのが一番良いと思います。あと、制度は必ず変化するということをご了承下さい。
【まとめ】
料金的に安く考えるならば、粉瘤が化膿していない時に皮膚科か整形外科に行って、袋ごと取ってもらうことです。
私のように粉瘤が育ってしまったり、化膿して膨らんでいる時の手術はどうしても大掛かりになり、それに比例して治療費も高額になります。
粉瘤の暴れ方には波が有りますから、完全にその波が引いた時(腫れていない時)がチャンス。
ほとんどの場合は日帰りで、術後薬をもらって一週間ほど飲み、その後抜糸して終わりでしょう。
私のような手術入院の場合は、必ず事前に「所得区分の認定書」を発行してもらい、退院時に上限額までの支払いで済ませる方が良いと思います。
2日前に入院し、術後3日目で退院ですから、入院は5日間でした。
手術は下半身麻酔をして、だいたい手術室に入って1時間半程度で出て来たと思います。
低所得者ということも有り、自己負担金が数万円で済みましたから、本当に助かりました。
患者さんが一番気になるのは、痛みだと思います(^^;
私はかなり大きく切り取ったので、麻酔が切れたら痛むんだろうと覚悟していましたが、実は全く痛みは有りませんでした(腕の有る医師だったんだと思います)。
私だけかも知れないですけど、本当に、少しも痛みは無かったんです。
手術して3日後に退院し、シャワーOK。
尿管カテーテルを抜いた後の痛み以外は、快適だったと言って良いと思います。
とにかく、こちら側の話を理解してくれる医師にお願いするのが一番だと感じました。
患者がどうしたいかを考慮して、治療計画をしてくれる医師ですね。
そして看護師さんの良い病院。
我々は医師よりも看護師さん達と接する機会が圧倒的に多いので、看護師さんの対応が良い病院を選択すると幸せになれるように思います。
私はそういう病院を選択しましたので、本当に楽でした。
このエントリーは、同じ悩みを持つ人達に少しでもプラスになることを願って書きました。
粉瘤で困っている皆様、頑張って下さいm(__)m
※これは私の体験に基づいて書いたものですので、参考にする場合は自己責任でお願い致します。

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