放課後児童クラブ・学童

【学童】放課後児童クラブを利用する際に知っておいた方が良いこと - おやつ編

はじめに

我が子が小学校に入学する時に、放課後児童クラブの検討をする方も多いのではないでしょうか(ここでは学童ではなく放課後児童クラブと呼びます)。
昭和の時代は専業主婦も多かったのですが、今やほとんどの家庭が共働きで、放課後児童クラブやその他の子育て支援事業が不可欠です。
「どうしてそんな世の中になってしまったか」という政治のお話は別としまして、今回は[放課後児童クラブの利用を検討している、もしくは現在放課後児童クラブを利用している保護者の皆さんが、知りたいけれどなかなか知り得ない部分]のお話をしたいと思います。

現在放課後児童クラブを利用している保護者の皆様は、そのクラブが例えば5段階評価をしたとしてどの程度なのか、気になったことはありませんでしょうか。気になって、解決されましたか? 解決しないという方がほとんどだと思います。それは何故でしょうか。
外食に行った時に、「その料理は美味しかったのか」、「美味しかったとしたら5段階評価でいくつなのか」は、ほとんどの方が言えると思います。それが言える理由は、他のお店の料理の味や、今まで自分が食べてきた料理の味と比較出来るからなんですね。
では放課後児童クラブはどうでしょうか。転校経験が有る方ならば他のクラブと比較出来ますが、ほとんどの保護者の皆さんは他のクラブと比較出来ないですよね。「え?どうして?」と言いたくなるような話をクラブの先生からされたとしても言わずに我慢してしまうのは、他のクラブと比較が出来ないので「そういうものなのか…」と、納得はいかないけれど納得せざるを得ないからではないでしょうか。
このページでは、保護者の皆さんが「そういうことだったのか」と納得出来るようなお話ができればと考えています。

【ご注意願います】これは実際に複数の放課後児童クラブの現場を経験し、マネジメントをしてきた私が、『業界の闇を暴露する』という変な趣旨ではなく、放課後児童クラブ等を利用している保護者の皆さんが、知る権利があるのに耳に入りにくく、知っておくことによって放課後児童クラブ運営法人・企業との関係をより良いものにし、もしも現在良い関係でなければそれを修復しやすいようにするというポジティブな方向性でのお話です。その辺りを十分にご理解頂けない方は、ここから先は読まないでください。ご理解頂けました方のみ、ここから先をお読みくださいませ。

放課後児童クラブ おやつ

 

おやつの内容は誰がどのように決めているのか

放課後児童クラブ運営は、利用者が支払う利用料金と各市町村から至急される委託料(補助金等、呼び方は色々)で行っています。
その中に、子どもたちが食べる「おやつ代」が入っていて、松戸市の場合ですと1人約70円前後支給されています。
例えば100人の登録者が居ると1日約7000円支給されるという計算ですね。
そして実際にクラブが提供する金額は1人100円前後。
委託側から言わせると、「毎日全員が来るわけじゃないから、それで間に合いますよね?」ということです(^^;
おやつの内容については、市は一切口出しせず、委託した運営会社・法人に任せています。
毎日のおやつに何をどの程度出したのかということは、わざわざ市の方でチェックしないということです。

さて皆さん、ここで何か疑問に感じたことはありませんでしょうか。
そうですよね。
「その運営会社によって差が生じるのでは?」って、思いますよね。
これは、複数の放課後児童クラブを知らない支援員には分からないことで、支援員が分からなければ利用している皆さんはもっと分からないことなので、ここで解説したいと思います。

 

おやつの一般的な例

一般的にどのようにおやつを組み立てるかというと、大雑把に分けて以下の3種類になります。
①甘い物
②しょっぱいもの
③飲み物類(プリンやゼリーのようなカップものもここに含まれます)
④アイス(夏季中心)
例えば
①甘い物 / アポロチョコ
②しょっぱいもの / ばかうけ
③飲み物類 / 乳酸飲料
④アイス(夏季中心) / ガリガリ君
という感じで組み合わせます。
1人につき100円程度でやりくりしなければなりませんので、おやつの発注担当者は毎月大変です。
今回の例は夏季の例ですが、大体暑い時期はアイスを入れると100円では済まなくなります。

 

皆さんが利用しているクラブはいかがでしょうか?

お父さん・お母さんたちは仕事で疲れて帰ってきても、子どもとお話をするのは楽しいものですよね。
私も子育て時期は、いくら疲れていても子どもたちとの会話は毎日楽しみでした。
その楽しい家族との会話の中で、学校ではどうだったのか、放課後児童クラブではどんなことをしていたのか、おやつは何が出たのか、そんなお話が出ると思います。
皆さんが利用しているクラブでは、おやつにどんなものが出されていますか?
私が上に書きました「おやつの一般的な例」と、同じようなものが出されていますでしょうか。
委託元(例えば松戸市ならば松戸市役所の子ども居場所課)から運営会社へはほぼ同じ料金が提供されていますから、あまりにもおやつの金額が多かったり少なかったりということは考えられませんよね?
でも実際には、私が上に書きました「おやつの一般的な例」を見て「えぇっ?!」と驚いたお父さん・お母さんが居ると思うんです。
では次に、私のクラブ経験の中から「えぇっ?!」と驚いた経験を。

 

私がおやつでびっくりしたこと

私的には、「有ってはいけないこと」と言うよりは「ない方がいいかな~」とか「ちょっとこれでは可哀想かな~」と思うような経験です。
結局これは、委託元が委託先に「このお金で自由に提供してね」と任せている以上、法律違反というような大きな問題ではないんですね。運営会社が、どのようなものをどのようなボリュームで提供で出そうが、自由なわけです。
でも、あまりにも我が子に提供されているおやつが一般的なものよりも貧相だとしたら、お父さん・お母さんが支払っている利用料金はどの地域でも大差ないわけですから、「ちょっとまってよ!」って言いたくなりませんか?
私がもしもお父さん・お母さんの立場だったら、絶対にそう思います。
では、何クラブかの例をご紹介します。

■提供金額が約10円程度
前に書きましたように、委託元が考えている金額は1人1日100円程度です。
1人1日10円程度にするためには、余程節約をしませんとそうならないんですね。
どういうことかと言いますと、「①甘い物 ②しょっぱいもの ③飲み物類」という組み合わせなど最初からなく、提供されるのはお煎餅ならばお煎餅だけなんですね。それも2枚入りならばその個包装を開いてそこから1人につき1枚提供するんだそうです。
要するに、その日のおやつはお煎餅1枚のみ。
例えば楽天でソフトサラダ20枚入りを購入すると1袋約237円です(現時点で)。
2枚入りで個包装になっていますから、個包装1袋の金額は約24円。
その個包装を開けて1枚ずつにしますと、1人分は12円です。
もっと安いお菓子ならば、10円切るかもしれません。
小学生のおやつのカロリーは、目安として低学年150kcal、高学年200~300kcalです。
ソフトサラダのカロリーは、1枚あたり約34kcalなんですよ。
正直この話を聞いたときにビックリもしたんですが、悲しくて涙が出てきました。

■誕生日おやつのケーキは誕生日の子どもしか食べられない
放課後児童クラブでは毎月のイベントとして「お誕生日会」があります。
私はそのようなクラブに在籍したことがないのですが、まさか「お誕生日会」もしていないクラブはないですよね?
もしもあるならば、どなたか教えて頂きたいです。
「お誕生日会」の日は、みんなで歌を歌ったり、ゲームをしたり、お誕生日の子どもたちに質問をしたりして、楽しく過ごす日です。
そしてそのイベントの中で重要なのは、『特別おやつ』ですね。
勿論ケーキであったり、ケーキと同じく子どもたちが喜ぶような、ドーナッツとかデコレーションされたカッププリンとか、そのクラブによって考えられたな『特別おやつ』をクラブ全員で食べてお祝いをします。
ですが…
私が夏休み期間に在籍したクラブで驚いたのは、お誕生日会当日にケーキが用意されていないんですね。
通常は誰か職員がケーキを取りに行くか、冷凍ケーキを購入しておいて解凍するか、車で運んできてもらうか、何かが有っても良いはずなのに、そのクラブは何もないままお誕生日会が始まり、主任が冷蔵庫からケーキを出します。
その個数、ひとつのお盆にのる程度。10個も無かったと思います。
周囲の子どもたちに聞くと「ケーキはお誕生日の人だけなんだよ」ということで、私はこのような運営会社が初めてだったものですから、この時も悲しくて涙が出ました。

 

そのお金はいったいどこに行ってしまうのでしょうか

分かりやすいように、数字で出してみます。
ここでは、子どもたちにちゃんとお金を掛けて支援をしている放課後児童クラブを「一般的なクラブA」と呼び、子どもたちや職員にはなるべくお金を掛けずに委託金を出来るだけ会社に残そうと考えている放課後児童クラブを「節約型のクラブB」と呼ぶことにします。
どちらも同じ条件で計算しますので、ここでは仮に4単位(登録児童160名)が毎月利用するとして計算してみます。

■子どもたちにちゃんとお金を掛けて支援をしている「一般的なクラブA」の場合
1月に1度のお誕生日会のケーキ1人分「スペシャル苺ショート 税込¥410」×160名=65600円
1年は12ヶ月ですから、1月分のお誕生日ケーキ代65600円×12ヶ月=787200円
「一般的なクラブA」の場合は、お誕生日のケーキ台だけで1年間787200円掛かるということになります。
※ このようなクラブの場合は先生たちも一緒に食べますから、もう少し金額が多くなります。放課後児童支援員の仕事には「検食」もありますから、普段のおやつでも一緒のものを食べます。その場で食べない場合、持ち帰ることの出来るものは持ち帰ります。「検食」以外にも、子どもたちがどのようなものを食べているかを「勉強」する意味もあります。その食べ物を理解していないと、いざ自分がおやつ担当になった時にちゃんと組み合わせが出来ないからです。

■子どもたちや職員にはなるべくお金を掛けずに委託金を出来るだけ会社に残そうと考えている「節約型のクラブB」の場合
この運営会社は毎月「お誕生日の子どもしかケーキを提供しない」ので、1年間に購入するケーキの個数はクラブの人数分になります。
よって、お誕生日会のケーキ1人分「スペシャル苺ショート 税込¥410」×160名=65600円 のみとなります。
※ このような運営会社は職員に「検食」「勉強」をさせませんので、職員の分はありません。純粋に登録者数のみとなります。

■差額をみてみましょう
「一般的なクラブA」787200円 - 「節約型のクラブB」 65600円 = 721600円
子どもたちや職員にはなるべくお金を掛けずに委託金を出来るだけ会社に残そうと考えている「節約型のクラブB」の場合は、1ヶ月に1度しかないお誕生日会のケーキ代で計算すると、1年間で72万円オーバーの節約になるわけです

 

ここから分かること

この差額を、大きな金額と受け取るか、大したことがないと考えるのかは個人の価値観によると思います。
私にとって72万円オーバーというのは大きな金額で、例えて言うならば我々放課後児童支援員の年収の1/3に相当するからなんですね。
そして放課後児童クラブをご利用の皆さんには、このお話から少し進めて考えて頂きたいことがございます。

放課後児童クラブの運営会社には2通り有ることは前にお話をしました。
① 子どもたちにちゃんとお金を掛けて支援をしている「一般的なクラブA」
② 子どもたちや職員にはなるべくお金を掛けずに委託金を出来るだけ会社に残そうと考えている「節約型のクラブB」
もう皆さんはお分かりだと思いますが、この②の「節約型のクラブB」の場合、節約しているのは1ヶ月に1度のお誕生日会で提供する「特別おやつ」だけではありません。
子どもたちが室内で遊ぶ遊具(おもちゃ等)、外遊びで使う遊具、傘立て、下駄箱、子どもたちが毎日座る座卓、毎月のイベント(夏祭りやクリスマスなど、有れば良い方ですが)、毎月の工作(考えられていないクラブも多くあります)、職員への給与、職員への賞与など、全体的に「節約型の運営会社」ということなんです。

皆さんの愛する子どもたちが利用している放課後児童クラブは、いかがでしょうか。
①と②、どちらに該当しますか?
同じ金額を支払っているのに、大きな差がついてしまうことに違和感はありませんか?

 

さいごに

放課後児童クラブを利用されている保護者の皆様、小学校の時期は子どもたちの発達において非常に大切な時期です。
今の社会、その大切な時期にお父さん・お母さんは一生懸命働かなければなりません。
働くためには、子どもたちを安心・安全な場所へ預ける必要があります。
だからこそ、子育て支援の為の勉強をした我々「放課後児童支援員」が居る「放課後児童クラブ」が用意されているわけです。
子どもたちに相応しい支援には、それなりの「環境整備」が必要になります。
その「環境整備」には、お金が掛かるんです。
だから「そのお金を各市町村が委託金を援助しますから、運営会社さん、子どもたちをお願いしますね」ということで、委託金が我々に託されるんですよね。その委託金は、いったい誰の、何のために使われるべきだと思いますか?
そうです、子どもたちの為に使われるべきですよね?
決して、自社で別の新しい事業を立ち上げる為に使われたり、クラブを運営している本部に入れて別の目的で使われてしまうべきではないんです。

放課後児童クラブを利用されている保護者の皆様は、いったいどうしたら良いでしょうか。
その放課後児童クラブに対して「?」と疑問に思った場合、どのような行動をとったら良いでしょう。
通常は、そのクラブの支援員、または主任に相談すると思います。
それで解決すれば良いかも知れません。
しかしほとんどの場合、根本的な解決にはならないことでしょう。
それは何故かといいますと、そこに居る放課後児童支援員は、そのクラブの運営会社の意思によって動いているからです。
最悪の場合、保護者の皆さんが何を言っても受け付けない場合もあります。

一番良い解決策は「委託元(松戸市ならば松戸市役所の子ども居場所課)に直接伝えること」です。
例えば皆さんの子どもが意地悪をされてクラブの支援員が何もしてくれなかったとき、「放課後児童クラブのクラス担当→クラブの主任→市町村」という順番で伝えていった場合、もしかすると時間が掛かりすぎて意地悪がエスカレートし、子どもが大きな被害にあうかもしれません。
「些細なことで事を大きくしたくない」という気持ちも良くわかります。
ただ、それが些細なことでない可能性も有りますよね。
愛する我が子に、何かが有ってからでは遅いと思いませんでしょうか。
「節約型クラブ」を目標としている運営会社は、現場にお金を掛けません。現場にお金を掛けない運営会社は、現場を大切に考えていません。現場を大切に考えていない運営会社が、子どもたちのことを考えていると思いますか?
子どもたちに寄り添った支援が出来ると思いますか?

松戸市には「市長メール」というありがたいシステムがあります。
「うちのクラブはどうなっているんだ!利用している子どもたちが可哀想だ!」と感じたら、「市長メール」を出して相談してみるのもひとつの方法かと思います。
≫ 松戸市 市長メールはこちら

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