ここんトコ、ちょっと続けて書いている〝処分したレコード〟のシリーズ。
今回は、中学生の時にハマった〝かぐや姫〟です。
第一期も有るらしいのですが、私が聴いていたのは第二期の〝南こうせつとかぐや姫〟でした。
この〝南こうせつとかぐや姫〟という名前は好きではなく、〝内山田洋とクール・ファイブ〟とか〝和田弘とマヒナスターズ〟みたいな、ストレートに言ってしまうと「ダサイ名前だ」と感じたからです。
実際に途中から〝かぐや姫〟に変更されたけれど、私は最初から〝かぐや姫〟としか呼んでいませんでした(ひねくれ者)。
南こうせつさんが良かったのではなく、伊勢正三(正やん)のファンだったからかも知れません。
正やんの何が好きだって、あの語るような歌声でしょうかね。
こうせつのキンキン声よりも、正やんのしっとりした歌い方が好きでした。
かぐや姫フォーエバーが出たばかりの頃、どうしても欲しかったんですが、自分の小遣いではとても買える金額ではなく、初めて買った一枚は〝かぐや姫LIVE〟だったんですよね。
当時好きだった〝あの人の手紙〟と〝22才の別れ〟、そして〝ペテン師〟等が入っていたからです。
〝ペテン師〟が好きっていう人も珍しかったと思うんですけど、私にとってこの曲は特別な思い入れが有ったりするわけで。
今聴いても、凄く良い歌だと思えます。
でも、〝おもかげ色の空〟が入っていませんでした。
これは大問題です。
何故無いことが問題か。
実は私、とんでもなく不純な動機でかぐや姫を好きになったんです。
中学二年の頃、同じ部の、同じクラスのTさんが好きになり、その娘はかぐや姫が好きで、その中でも一番は〝おもかげ色の空〟だって言うんですよ。
それが演奏出来たら、ちょっとは好印象を持たれるんじゃないかなって。
そういうスケベ心満載でかぐや姫を聴き始めまして、最終的にはそんなの無しに好きになったんですけどね。
今でも、この時期にかぐや姫を聴いていて良かったな~って思えます。
Tさんの名前は今でも覚えていますが、書くとそれこそ違った意味で問題になりそうなので割愛(笑)
その後、どうにかして〝かぐや姫フォーエバー〟を手に入れ、中二の夏に始めたギターを手に、毎日一生懸命コピーしましてね。
中学二年の終わりに「お楽しみ会」をやったんです。
よく有りましたでしょ?
仲良しクラスだった場合、学年が変わってしまう時に、集まって色々やって楽しみましょうという会。
そこで、ギターが出来る仲間数人でライブ(当時はコンサート…のようなもの)をやったんです。
かぐや姫 - あの人の手紙・おもかげ色の空
グレープ - 蝉時雨
NSP - 待っても待っても・夕暮れ時はさびしそう
他に何をやったのか、忘れてしまいました。
NSPをやろうといったのは私で、実はかぐや姫よりNSPの方が好きだったりして(^-^;
Charさんと仲良しだったという事で、入り込んだんだと思いました。
NSPのライブのバックでCharさんがギターを弾いている音源が有ったように記憶しております。
待っても待ってもがアップテンポに変わる時、ワウを効かせたCharさんのカッティングで入ったんですよね。
〝夕暮れ時はさびしそう〟は、大好きでした。
NSPって、わざと悲しい曲を作っていた感じがするんですよ。
「これでもかっ!」っていう勢いで(笑)
かぐや姫はもう一曲やった気がするんだけど…
アビーロードの街か、いや、22才の別れだったかな。
とにかく短期間(一年足らず)にギターを覚えて、人前でリード弾いちゃうんだからチャレンジャーですよねぇ。
カセットテープでその音源を取っておいたんだけど、5年前位に全部捨てました。
私のギター人生があまりにも大した事が無くて、恥ずかしくなってしまったというのが正直なところです。
よくあんな腕しか無くて、「趣味はギターです」なんて言えたもんだなと(爆)
そいで、結局Tさんには振られたんですけどね。
Tさんの好きな曲をやって、仲良くなれればいいなぁなんて薄っぺらな事を考えていた自分がバカでした。
今ではいい思い出です。
元気にしているかなぁ、みゆきさんは(下の名前だけならいいかなと)。
そういえばこのお楽しみ会が、私の初演奏だったんですよねぇ。
本当に不純な初演奏でした(笑)
中学時代が一番不安定だったと思います。
周囲からは「もっと大人になれ」と言われ、そのくせ気の利いた事を言うと「ガキのくせに生意気だ」と言われる。
良いことは「自分が努力したからだ」と思い、悪い事が起きると全部他人のせいだと思う。
大人の言うことは全部まやかしだと思えて、誰の言うことも聞く気がなかった。
いつ誰に殺されてもいい、どんな風に死んでもいい、自分なんかどうなってもいいと思っていた。
子供と大人が同居したというか、上下は有っても真ん中がすっぽり抜けていて、いつも空虚でした。
そんなフワフワした気持ちの中に、ふっと現実を吹き込んでくれたのがフォークソングでした。
少なくとも私にはそういう存在でした。
いつも張っていた心を優しく包んでくれた。
道を外れそうな自分を正してくれた。
悲しい時は励ましてくれた。
幸せな気分の日は一緒に喜んでくれた。
それが私にとっての「かぐや姫」でした。